不動産投資の基本

一棟アパート投資とは?区分マンションとの違い・メリット・リスクを解説

スーツとお面を着た男性。プロフィール画像。

ななせ

主な所有資格:宅建、FP2級、測量士補、空き家再生士、賃貸住宅メンテナンス主任者 現在不動産エージェントとして活動中。

不動産投資というと、まず思い浮かびやすいのは「ワンルームマンション投資」ではないでしょうか。

価格帯も比較的低く、営業マンから勧められることも多いので、「とりあえずワンルームから」という流れになりがちです。

一方で、ある程度自己資金がたまってきた人や、すでに区分マンションを1〜2戸持っている人の中には、「もう少し収入の柱を増やしたい」「より本格的に不動産に取り組みたい」と考え、一棟アパート投資に興味を持つ人も増えています。

あすか
あすか

一棟アパート投資って、支出する金額も多いし、なんだか不安。将来の資産形成として効果的なのかな?

この記事では、以下の内容をできるだけやさしい言葉で整理していきます。

ポイント

  • 一棟アパート投資の基本的なイメージ
  • メリットとリスク
  • 区分マンション投資との違い
  • 向いている人・向いていない人
  • 検討するときのチェックポイント

ちなみに、「不動産投資のことを聞きたい」「お部屋を探している」「知人で不動産を探している人がいる」「不動産関係ないけど世間話をしたい」などなど、お気軽に話しかけてください!

ななせに話しかける(インスタ)

一棟アパート投資とは?

一棟アパート投資とは、その名のとおりアパート1棟をまるごと購入し、複数の部屋を人に貸して家賃収入を得る投資です。

区分マンション投資が「1部屋単位」の所有なのに対し、一棟アパートは「建物+土地」をひとまとまりで持つイメージです。

そのぶんプレッシャーもありますが、うまく運営できれば、家賃収入が増え、将来の選択肢も大きく広がる可能性があります。

一棟アパート投資の基本イメージと仕組み

一棟アパート投資の対象になる物件は、木造や軽量鉄骨造の2〜3階建て、4戸〜10数戸ほどの規模が多いです。

場所は、都心のど真ん中よりも、少し郊外の住宅地や、地方都市の駅徒歩圏に多いイメージです。

仕組みはシンプル。

収入の流れ

①各部屋から家賃が入る(総家賃収入)
②そこから、管理費・修繕費・税金・保険・ローン返済などを引く
③最後に残ったものが「手取り(キャッシュフロー)」

区分マンション投資と違うのは、建物全体と土地をまとめて所有するという点です。

これにより、将来建て替えたり、駐車場や戸建て用地など別用途で使う、「土地」として売却するなど、出口戦略の選択肢が広がります。

ななせ
ななせ

一棟アパート投資は「小さな不動産事業を丸ごと買う」イメージに近いです。

一棟アパート投資のメリット

一棟アパート投資のメリットについて、ご紹介します。

1. 家賃収入がゼロになりにくい

ワンルームや戸建ての投資は入居者が1組だけのため、その人が退去すると家賃収入は一時的にゼロになります。

一方、一棟アパートは複数の部屋があるため、収入がゼロになる可能性は極めて低いです。

たとえば8戸のアパートなら、1〜2戸空室が出たとしても、残り6〜7戸から家賃が入ります。

収入がゼロになるリスクを分散しやすいのが一棟アパート投資のメリットです。

2. 利回り・キャッシュフローが高くなりやすい

一般的に、中古の一棟アパートは、区分マンション投資に比べて

  • 物件価格に対する家賃収入(表面利回り)が高い
  • 管理や修繕を一括で行えるので、コストを抑えやすい

という特徴があります。

そのため、条件の良い物件を選べば、毎月の家賃収入が、区分マンション投資よりも大きくなりやすいと言われます。

3. 税金面でメリットが出る場合がある

木造アパートは法定耐用年数が短く、減価償却費を多めに計上できるケースが多いです。

所得が高めの会社員の場合、減価償却費を経費として計上し課税所得が減るため、結果として、所得税・住民税が下がります。

そして、実質的に手取りが増えることになるのです。

将来売却するときに譲渡所得税が増える可能性もあるため、トータルでプラスかどうかを確認する必要があります。

4. 建物全体の方針を自分で決められる

区分マンションでは、建物全体のことは管理組合で決まります。

オーナー一人の判断で、外壁の色の変更、共用部の照明の変更、設備のグレードアップといったことはなかなかできません。

一方一棟アパートでは、オーナーが方針を決めやすく、

外壁塗装のタイミングやデザイン、ネット無料や宅配ボックスの導入、共有部の清掃や照明の工夫などを、自分の判断で行いやすくなります。

ななせ
ななせ

**「自分の物件を自分の手で育てる」**感覚が持てるのも、一棟投資の魅力と言えます。

一棟アパート投資のリスク

メリットが大きい一方で、一棟アパート投資には区分以上に重いデメリットもあります。ここを理解せずスタートすると、借金だけが残る結果になりかねません。

1. 初期費用も借金も大きい

一棟アパートは、物件価格が数千万円〜1億円超になる場合が多いです。

また、頭金も数百万円〜1000万円前後が必要になることも。

あすか
あすか

規模が大きい分、必要なお金も当然大きくなるんですね。

購入時には、頭金、仲介手数料、登記費用、不動産取得税、火災・地震保険料、リフォーム費用等、さまざまな初期費用もかかります。


その結果、ローン金額も毎月の返済額も大きくなりやすいです。

空室が増えたり、金利が上がったりしたときのダメージも大きくなるので、資金計画はかなり慎重に立てる必要があります。

2. 空室が増えると一気に苦しくなる

一棟アパートは「戸数が多いから分散できる」と同時に、「エリアの人気が落ちた」「競合が増えた」「設備が古くなって選ばれなくなった」などの理由で、一気に空室が増えるリスクもあります。

満室前提でギリギリの返済計画→何戸か空室が出る→家賃収入が減り、ローン返済でほぼ消える→修繕費や広告費が出せない→さらに入居が決まりにくくなる

という悪循環になってしまうケースもあります。

リスク分散ができることがメリットですが、そもそも資産性のない物件を選んでしまった場合、リスクでしかないのです。

ななせ
ななせ

大前提として、需要のある物件を選んで購入することが重要です。

3. 修繕費・大規模修繕の負担が重い

アパート一棟分の修繕は、どうしても金額が大きくなります。

  • 外壁塗装や屋上防水
  • 共用階段・廊下の補修
  • 給排水管の更新
  • 各戸の設備交換(エアコン、給湯器など)

こうした費用は、10年〜15年ごとに一度どーんとかかるイメージに近いです。

そのため、「毎月の家賃のうち、いくらを修繕用に貯めるか」「何年後にどのくらいの修繕費が必要か」といったことを事前に考えておきましょう。

でないと、いざ大規模修繕のタイミングでお金が足りず、建物が傷んでしまう…という危険があります。

あすか
あすか

いきなり数百万円もの修繕費を払わないといけないなんて、厳しすぎる…

ななせ
ななせ

ワンルームならまだ突発的でも対処できそうな金額だけど、一棟ともなると厳しいですよね。

4. 災害リスクが一点集中する

一棟アパートは、同じ場所に複数の部屋がまとまっています。そのため、

地震、水害、火災などの災害が起きたときに、被害が一気に集中しやすいという弱点があります。

保険である程度カバーすることはできますが、事前に確認できる部分については、徹底的に確認を行いましょう。

確認事項

  • ハザードマップの確認
  • 地盤・周辺環境のチェック
  • 構造(木造・鉄骨など)の違い

5. 売却(出口)が簡単ではない

一棟アパートは、主な買い手が「投資家や法人」です。

区分マンションのように、自宅目的の人も含めて幅広く売れるわけではありません。

その結果、次のようなリスクが考えられます。

  • 市場の状況や金利の影響を受けやすい
  • 「売りたいときに売れない」ことがある
  • 売却価格がローン残高を下回る可能性もある

「ダメなら売ればいいや」と軽く考えてしまうと、いざというときにローンだけ残る状況になりかねないので、注意が必要です。

区分マンション投資とのざっくり比較

ざっくりしたイメージをつかみやすいように、違いをまとめると次のようになります。

区分マンション投資

  • 1部屋単位で所有
  • 初期費用・借入額は比較的小さい
  • 管理は管理組合&管理会社にお任せが多い
  • 空室になると、家賃はゼロ
  • キャッシュフローもそこまで大きくなりにくい

一棟アパート投資

  • 建物+土地をまるごと所有
  • 初期費用・借入額が大きい
  • 管理方針はオーナーが決めやすい
  • 戸数があるので収入は分散されるが、
    空室が増えるとダメージも大きい
  • うまく運営できれば、キャッシュフローは大きくなりやすい

どちらが「正解」というわけではなく、
自分の資金力・性格・目標に合っているほうを選ぶイメージです。

一棟アパート投資に向いている人・向いていない人

向いている人

一棟アパート投資に向いているのは、たとえば次のようなタイプです。

  • 収支表やシミュレーションを見ながら考えるのが苦にならない
  • 家計やお金の管理が嫌いではない
  • 不動産を「事業」として育てていく感覚がもてる
  • 10年、20年といった長期目線でコツコツ続けられる
ななせ
ななせ

数字や計画がある程度好きで、「自分でコントロールしていくのが楽しい」と感じられる人は、一棟アパート投資と相性が良いです。

あすか
あすか

株式投資とかでも、毎日チャート表を見ている私には、向いているかもしれない!

向いていない人

逆に、次のような人は注意が必要です。

  • 「節税になるらしいから」「営業マンに勧められたから」だけで決めてしまう
  • 修繕費や空室リスクを具体的にイメージできていない
  • 生活防衛資金や余剰資金がほとんどない
  • できれば何も考えずに、完全ほったらかしにしたい

こうした状態でいきなり一棟アパートに手を出すと、精神的にも資金的にも苦しくなる可能性が高くなります。

検討するときのチェックポイント

実際に一棟アパート投資を検討する場合は、少なくとも次の5つを意識しておくと、失敗しづらくなります。

立地と賃貸需要

今だけでなく、5年後・10年後に入居者が見込めるエリアかどうか。駅距離、人口動向、周辺の大学や企業なども含めて考えます。

融資条件と返済計画

金利、返済期間、毎月の返済額と家賃収入のバランスを確認します。満室前提だけでなく、数戸空室が出た場合のシミュレーションもしておくと安心です。

修繕費・ランニングコスト

管理委託料、共用部の光熱費、将来の大規模修繕費などをあらかじめ見込み、毎月いくら積み立てるか決めておくことが大切です。

管理会社の力

入居募集のやり方、反響の取り方、トラブル対応のスピードなど、管理会社の力量で入居率が大きく変わります。複数社を比較して選ぶのがおすすめです。

出口戦略(売却・活用)

将来、どのくらいの価格でどんな相手に売れそうか。売らずに持ち続けるなら、老朽化後にどうするか。ざっくりでもイメージしてから購入することが重要です。


まとめ

一棟アパート投資は、ワンルームマンション投資よりも、リスクも責任も一段重い投資です。

その代わり、うまく運営できれば、複数の家賃収入をまとめて得られる、心強い「収入の柱」になってくれます。

ななせ
ななせ

大切なのは、甘い営業トークだけで決めないことです。

立地、融資、修繕、管理、出口というポイントを一つずつ確認し、「本当に適切な物件か」を冷静に考えることが欠かせません。

数字を見ることがそこまで苦ではなく、物件を少しずつ良くしていくことに楽しさを感じられる人にとって、一棟アパート投資は、将来の安心に近づくための強い武器になりえます。

反対に、「何も考えずにお金だけ増やしたい」というイメージに近い人にとっては、少しハードルが高い投資です。

もし、少しでも興味があるなら、いきなり購入を決めるのではなく、まずは情報収集や勉強から始めてみてください。

セミナーに参加したり、実際のオーナーの話を聞いたりする中で、「自分がどこまでリスクを取れるか」「本当にやれるのか」が、だんだん見えてきます。

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