不動産投資をしてみたいけれど、いきなりアパート一棟はちょっと怖い…
そんな初心者の方に、近ごろ注目されているのが「戸建て投資」です。
戸建て投資は、マンションやアパートに比べて初期費用を抑えやすく、長く住んでもらいやすいと言われています。
大きな勝負というより、「コツコツ型」の不動産投資というイメージに近いです。
この記事では、戸建て投資の基本からメリット・デメリット、初心者が失敗しないためのポイント、具体的な始め方の流れまで、できるだけ専門用語を使わずに解説していきます。
もし、一棟アパート投資に興味がある方は、こちらをチェックしてみてください。
「不動産投資のことを聞きたい」、「住むお部屋を探している」、「知人で不動産を探している人がいる」、「不動産は関係ないけど世間話をしたい」などなど、お気軽に話しかけてください!
戸建て投資とは?

「戸建て投資」とは、一戸建ての住宅を購入して、第三者に貸し出し、家賃収入を得る投資方法です。
アパートや区分マンションと違い、建物と土地を丸ごと所有するイメージです。
入居者から毎月支払われる家賃が収入となり、長く保有している間は賃貸収入(インカムゲイン)が得られます。
また、売却時には売却益(キャピタルゲイン)を狙うこともできます。
将来的に自分や家族が住む家として使うこともできるので、「投資用でありながら、ライフプランの保険にもなる」側面を持っているのが、戸建て投資のわかりやすい特徴です。
戸建て投資が初心者に向いている理由(メリット)

戸建て投資は初心者に向いているとよく言われています。
では、なぜ戸建て投資が初心者に向いているのでしょうか。
1. 初期費用を抑えてスタートしやすい
一棟アパートやマンションを買おうとすると、数千万円〜億単位の価格になることもあります。
それに比べて、中古の戸建てや空き家を活用した物件であれば、価格帯が低めのものも多く、自己資金がそこまで多くなくてもスタートしやすいです。
特に、築年数が古い戸建てをリフォームして貸し出すケースでは、購入価格が抑えられる分、家賃とのバランスが良ければ高めの利回りを狙える可能性もあります。
大々的なリフォームがなくても貸し出せる空き家もあるみたいです。そうすれば、高利回りで貸し出すことも可能ですね!
2. ファミリー層に長く住んでもらいやすい
戸建て賃貸の入居者は、単身者よりも子どものいるファミリー層に人気です。
保育園や小学校、職場などの関係で、簡単には引っ越しがしずらい方が多いため、一度入居してもらえると長く住んでくれる可能性が高くなります。
長く住んでもらえれば、そのぶん退去の回数が減り、原状回復費用や広告費などの支出も抑えられます。
「少しボロボロでも一戸建てが良い」という人も一定数いるのも事実。
需要は十分にある投資物件です。
「ドカンと儲かる」というより、「安定感を重視したい人」に向いたスタイルですね。
3. 郊外でも需要を見込みやすい
ワンルームマンションなどは、どうしても都心部や駅近に人気が集まりがちです。
一方で戸建て賃貸の場合、車移動が前提のエリアでも、ファミリー層のニーズがあれば十分成り立ちます。
駐車場が敷地内にあり、庭やちょっとした屋外スペースがあって、子どもがのびのびできる環境であれば、「多少駅から離れていても戸建てに住みたい」という家庭は少なくありません。
地方で駅から20分の物件などでも、需要は十分に見込めます。
4. 競合が少なく、選ばれやすいことも
賃貸市場全体を見ると、ワンルームや1K、集合住宅タイプの物件数が圧倒的に多く、戸建て賃貸の数はまだまだ多くありません。
同じエリアで比べると、戸建ての賃貸物件は数が限られていることが多いです。
そのため、「家族で住むならやっぱり戸建てがいい」というニーズに対して、自然と選ばれやすくなる場合があります。
物件の状態や賃料設定が良ければ、マンションより少し高めの家賃でも決まるケースもあります。
5. 出口戦略が多い
戸建ての大きな強みが「出口の選択肢が多い」ことです。
賃貸を続けて家賃収入を取り続けることもできれば、タイミングを見て売却して現金化することもできます。
また、ライフプランが変われば、自分や子ども世帯が住む家として使う選択もありますよね。
土地付きで持っているので、将来的に建て替えて再度賃貸に出す、売却する、といったことも視野に入ります。
「投資として持ちつつ、自分たちの暮らしにも使えるかもしれない」という感覚で持てるのは、戸建てならではの特徴ではないでしょうか。
そういった意味では、低リスクで行える投資とも考えられますね!ちなみに、区分マンション投資でもこのメリットは当てはまりそうですね。
戸建て投資の注意点・デメリット

メリットばかりに見えますが、当然ながらリスクもあります。
ここを知らないまま進めると、「聞いていた話と違った…」なんてことがあるかもしれません。
しっかりと、デメリットを理解したうえで、一戸建て投資を検討してください。
空室になると収入がゼロになる
アパート一棟のように複数戸があるわけではないため、戸建ては「1軒=1世帯」です。
そのため、入居者がいない期間は、家賃収入が完全にゼロになります。
一方で、ローンの返済や固定資産税、火災保険料、庭の手入れなどの支出は続きます。
空室期間が長引くと、キャッシュフローが一気に悪化する可能性があるので、購入前に「このエリアでちゃんと借り手が付くか」を丁寧に確認する必要があります。
購入前の情報収集がカギとなりますね。
規模拡大には時間がかかる
戸建ては一軒につき一世帯分の家賃しか入ってきません。
そのため、入ってくる家賃も一棟アパートなどと比べると、少なくなります。
また、家賃収入を増やすには、二軒目、三軒目と戸数を増やしていく必要がありますが、戸建て投資で儲けたお金で買おうとすると、購入資金がたまるまでには長い期間を要します。
短期間で一気に家賃収入を増やしたい人にとっては、アパート一棟やマンション一棟の方が向いているかもしれません。
戸建て投資は、どちらかというと「ゆっくり数を増やしていく」スタイルに近いです。
築古・地方物件はローンが通りにくい
築年数が古かったり、人口が少ないエリアの戸建ての場合、金融機関によっては「担保価値が低い」と判断され、融資条件が厳しくなったり、そもそもローンが通りにくいこともあります。
そうした場合、自己資金を多めに用意する必要があったり、複数の金融機関に相談して条件を比較したりと、少し手間が増えます。
「安く買えるから」という理由だけで飛びつかず、資金計画までセットで考えることが大切です。
修繕費がまとまってかかることがある
戸建ては、屋根や外壁、水回り、給湯器など、オーナーが面倒を見なければいけない部分が広いです。
築年数が進んでいる物件だと、あるタイミングで大きな修繕が必要になり、数十万〜百万円単位の費用が発生することもあります。
想像以上にお金がドバっと出ていきますね。
購入前には、できるだけ建物の状態や過去の修繕履歴を確認し、「この先どんな修繕がありそうか」をイメージしておくと安心です。
戸建て投資に向いている人

戸建て投資は、次のような考え方を持っている人に向いています。
- 一気に大金を狙うより、長期的にコツコツ家賃収入を増やしたい
- ファミリー層向けの、落ち着いた賃貸経営がしたい
- 将来、自分や子どもが住む選択肢も残しておきたい
- 空き家活用やリフォームにも興味がある
逆に、「短期間で資産を倍にしたい」「とにかく手間をかけず、完全放置で運用したい」という人には、必ずしもベストな選択とは限りません。
どの投資にも、メリットデメリットがあります。
自分の考え方、ライフスタイルに合った投資手法を選ぶ必要がありますね!
戸建て投資の始め方(5つの流れ)

ここからは、初心者が戸建て投資を始めるまでの、ざっくりとした流れを紹介します。
1. 投資の目的と予算を決める
最初に決めるべきなのは、「何のために戸建て投資をするのか」と「どれくらいの規模でやるのか」です。
・毎月いくらくらいの家賃収入を目指したいのか
・何年くらい保有するつもりなのか
・自己資金はいくらまでなら出せるのか
・ローン返済が月いくらまでならストレスなく払えそうか
このあたりをざっくりと決めておくことで、「どんな物件を選ぶべきか」が明白になっていきます。
たとえば、毎月20万円の収入が欲しいと思っている方が、家賃8万円の戸建て賃貸をしたところで、目標金額は達成しないですよね。
必ず、購入前に自分の目的や予算を把握したうえで、投資手法や物件選びをしてください。
2. 投資エリアと賃貸需要を調べる
次に、「どのエリアで物件を探すか」を決めます。
人口の動きが極端に減っていないか、学校やスーパー、駅やバス停など生活のしやすさはどうか、周辺の家賃相場や空室状況はどうなっているか、といった点をチェックしていきます。
自治体によっては、空き家のリフォームに補助金を出しているところもあるので、気になるエリアがあれば市区町村のホームページを見てみるのもおすすめです。
「利回りは高いけど、人がほとんど住んでいない場所」の物件を選んでしまうと、そもそも入居者が見つからない…ということになりかねません。
家賃相場と人口、生活のしやすさをセットで見るイメージです。
3. 物件情報を集めて、ざっくり利回りを計算する
エリアが決まったら、不動産会社やポータルサイトで物件情報を集めます。
そのうえで、簡単な指標として「表面利回り」を確認してみましょう。
たとえば、家賃10万円の戸建て(年間120万円)を1,500万円で買う場合、120万円 ÷ 1,500万円 × 100 = 8%というイメージです。
13年あれば、購入価格を家賃収入が上回るということがわかります。
実際にはここから、固定資産税や管理費、修繕費、ローン返済などを差し引いて、「手元にどれくらい残るか」を見る必要があります。(実質利回り)
物件の目安は表面利回りでみて、具体的な計算は実質利回りでみるようにしましょう!
4. 資金計画とローンの相談
ある程度候補が絞れたら、金融機関にローンの相談をしてみます。
借入可能額や金利、返済期間、自己資金の割合で、毎月の返済額は大きく変わります。
家賃収入から、ローンの返済と経費を引いても赤字にならないか。
多少空室が出ても、すぐに資金が尽きないか。
このあたりを「ちょっと厳しめ」に見積もっておくと、実際に運用を始めたときにも慌てずに済みます。
5. 管理会社を決めて賃貸経営スタート
物件を購入したら、いよいよ賃貸経営のスタートです。
初心者のうちは、戸建て賃貸の実績がある管理会社に任せるのがおすすめです。
家賃設定や募集方法、入居審査、退去時の対応や修繕の段取りなど、慣れていないとわからない部分をプロに任せることで、トラブルが起きにくくなります。
入居者からのクレームや、トラブルは意外と大きなストレスになったりします。
自主管理よりも手数料はかかりますが、「最初は授業料」と考えて、管理会社に相談しながら進めると安心です。
初心者が戸建て投資で失敗しやすいポイント

最後に、よくある失敗パターンをいくつか挙げておきます。
一つ目は、「利回りの数字だけを見て、立地を軽視してしまうこと」です。
ネット上で高利回りと書かれている物件でも、周辺にほとんど人が住んでいなかったり、賃貸需要がそもそも少なかったりするケースがあります。
数字だけで判断せず、「このエリアで本当に借りたい人がいるか?」という目線を忘れないことが大事です。
二つ目は、「リフォーム費用や修繕費を甘く見積もってしまうこと」です。
築古の戸建ては、購入価格が安い代わりに、水回りや屋根、外壁などに大きな工事が必要になることもあります。
複数の業者から見積もりを取り、余裕を持った資金計画を立てることがポイントです。
三つ目は、「退去後にかかる費用を考えていないこと」です。
入居者が退去すると、原状回復やクリーニング、募集広告費などがまとまって発生します。
年間の収支を考えるときには、こうしたコストもあらかじめ織り込んでおく必要があります。
まとめ

戸建て投資は、初期費用を抑えて始めやすく、ファミリー層の長期入居が期待でき、将来は自分たちの住まいとしても使える可能性があるなど、初心者にとって取り組みやすい不動産投資の一つです。
一方で、空室になれば家賃収入がゼロになるリスクや、修繕費が大きくかかるタイミングがあること、立地を間違えるとそもそも入居者が付かない可能性があることなど、気を付けるべき点もはっきり存在します。
大事なのは、「利回りの数字だけを追いかけないこと」と「長期目線で無理のない資金計画を立てること」です。
まずは一軒から、小さく試しながら学んでいくつもりで取り組めば、経験値も少しずつたまり、自分なりの投資スタイルが見えてきます。
